スタッフ・ベンダ・ビリリ
映画「ベンダ・ビリリ!〜もう一つのキンシャサの奇跡」は、
2009年、初CDを発売するや、
ヨーロッパを中心に世界中でブレイクしたコンゴのバンド、
「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の物語です。
映画は、
コンゴの首都・キンシャサの
夜のストリートから始まります。
「ひったくりをして何が悪いんだ」という少年のつぶやき。
ストリートの一角に、段ボールを持って集まってくる子どもたち。
そして、そこに車椅子に乗って現れる中年男。
『パパ・リッキー』と呼ばれるその男は、
おもむろにギターを弾き歌いだします。
すると、次々に同じように車椅子に乗って現れる男たち。
彼らは、口々に「スタッフ・ベンダ・ビリリ」と叫び、
楽器を演奏し、歌い始めます。
その歌は、正に魂の叫び。
体の障害に苦しみ、どん底の貧困生活に喘ぐ彼らの魂の叫び。
映像と共に、その歌が、観る者の心を揺さぶります。
映画「ベンダ・ビリリ」は、
そんな彼らがCDを製作・発売し、
そして世界ツアーで大喝采を浴びるまでの5年間を追ったドキュメンタリーです。
パパ・リッキーは、CDの製作に取り掛かった頃、
ストリートで暮らすロジェという少年に出会います。
ロジェは、空き缶を改造した1本弦の手作りギターを操る天才ギタリスト。
その才能を見出したパパ・リッキーは、ロジェをバンドに招き入れます。
資金難に見舞われながらも、
なんとかCD製作が順調に進みだした頃、
今度は、バンドのメンバーが暮らす障害者シェルターが火事になり、
彼らは、生活道具の全てを失ってしまいます。
当然、CD製作は中止。
ロジェはバンドを離れ、生まれた村へ帰っていきます。
そんな幾多の困難に見舞われながらも、
彼らは常にポジティブに人生を考えます。
なんとかバンド活動を再開し、
“いつもの”動物園で、CDの録音に取りかかります。
やがて、ロジェとも再会し、
バンドに復帰をするところから、
彼らの音楽は、さらに活き活きとしたものになります。
映画を観終わった後の、
なんだろう・・・この感動は?
障害者とか、貧困とか、
もちろんそれは重要なファクターではあるけれど、
そういうこととは関係なく、
彼らはドカドカと心の中に入ってきて、占拠してしまった!
そんな感じでした。
「ベンダ・ビリリ」とは、
リンガラ語で、
「外側を剥ぎ取れ=内面を見よ」という意味だそうです。
映画を観終わった後、
シネマイーラのフロントでスタッフさんと感想を語り合いながら、
そこで販売していたCDを思わず買ってしまいました。
映画の再上映は、なかなか叶わないと思いますが、
CDはショップや通販で購入できると思いますので、
興味のある方は、是非、彼らの音楽~魂の叫びを聴いてみてください。
yo-tonさんの好みじゃないと思いますが、
感動したので語ってみました。
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